テラス

「Green-Room株式会社」野伏龍寛さん【いぐするテラス】

寺尾 まりえ 寺尾 まりえ
271 views 2018.02.22
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12月4日のいぐするテラスのゲストは、Green-Room株式会社の社長、野伏龍寛さん(39)。Green-Room株式会社は、仙台・岩手で、整骨院や訪問マッサージなどの福祉・介護事業を展開する企業です。

「御社の理念に共感し…」
面接の際によく聞くフレーズかもしれません。
しかし、会社が理念に対しどのように事業を展開しているのか、なかなか具体的にイメージするのは難しいですよね。

Green-Room株式会社の企業理念は、「明るい空間を創造すること」。現在展開されている事業は主に4つです。
最初に始まったのは訪問マッサージ。直接お宅に伺い高齢者のお話をゆっくり聞きながら施術ができる、ということからスタートしました。しかし、高齢者の方が笑顔になってくれる一方で、介護に疲れた家族の姿がありました。
「これじゃあ全然明るい空間になってないじゃないか!」
野伏さんは次に、家族の疲れを癒すための整骨院を始めます。ところが、整骨院に訪れる家族に接するうちに、体の疲れを癒すだけではだめだと気づかされます。そして3つ目に展開されたのが、心まで癒すリラクゼーションサロンです。
4つ目が、デイサービス。お年寄りの方が寝たきりになる前からケアをしてあげよう、とはじめたものです。

これらはすべて「明るい空間を創造する」という企業理念に基づいて事業展開されています。
Green-Room株式会社では、この言葉や価値観に共感してくれる人が集まり、働いています。
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では、その企業理念は、どのようにして生まれたのでしょうか?

それは野伏さんの、ちょっと変わった経歴に由来します。

学生時代は、コンビニで夜勤⇒大学で寝る⇒サーフィンへ、の繰り返し。卒業後も「サーフィンがしたいから」という理由で、仙台の飲み屋街・国分町で水商売の仕事を始めます。
2年ほど働くうちにヘッドハンティングされ、高級クラブへと転職。オーナーを恩師として慕い、3年間徹底的にサービス業を仕込まれました。
しかし恩師は、50代で癌になり急死します。
それまで周りの人を見下し、親にも暴言を吐き、ブランドで己を着飾ることでプライドを保っていた野伏さんは、葬式に参列しながら「こんな俺の葬式に、誰が参列してくれるんだろう」と、そこではじめて自分の人生について振り返りました。

野伏さんは、水商売を辞めることを決意します。
辞めるにあたって、高級クラブのお客さんだった社長たちに会いに行き、「働くってなに?」「どんな仕事がいいの?」と、聞きに回ります。
そこで繰り返し出たのが、「これからは高齢化社会だから」という言葉。
20代のうちに起業しようと決めていた野伏社長は、「どうせ起業するなら、伸びしろのある業界で」と、早速ヘルパーの免許を取り、水商売から半ば逃げるようにして、介護業界へ転身します。
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ヘルパーとして働き始めた野伏さんが目の当たりにしたのは、介護の現場の現実でした。
それは、高齢者がいかに孤独か、ということ。
野伏さんは介護をしながら、毎日お年寄りの話をたくさん聞いてあげました。
ある日の朝、施設のカーテンを開けて部屋を回っていると、おじいちゃんから「ありがとう。あなたのおかげで、気持ちよく起きられたよ」と、泣きながら言われたそうです。

「こんな自分でも誰かが必要としてくれる。こんな人の為に役に立ちたい!」
仕事の意義を見つけた瞬間でした。
介護業界の暗い雰囲気を持ち前の明るさで笑顔に変えていこうと、野伏さんは29歳で起業します。

自分の思いを伝えるため、社員に対しても、目標を達成する方法や、患者さんに対する接し方などの研修を定期的に行っているそうです。

ここで、野伏さんの時間に対する考え方を一つ。
物事を達成するためには、やるべき20%のことをしっかりやれているかがカギとなっているそうです。
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クレーム処理の対応が終わったと思ったら、急な来客に時間を取られ、そのうち夕方になって、「飲みに行くか!」…といったように多くの人は、青い矢印のような流れで時間の使い方をしてしまうそうです。
「意識的に第2象限を行う時間を作ることが、目標達成のためには重要なんだよ」
野伏さんの言葉には力強さがあり、参加者のメモを取る手にも力が入ります。
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「今後の夢は?」という参加者からの質問に対し、「45歳までに、社長の座を退こうと思っています」と野伏さん。
参加者からは驚きの声があがりました。
「これからは、日本だけじゃなくて、世界にも行こうと思って」
明るく前向きで常に挑戦し続ける姿に、参加者もやる気をかき立てられた様子。
イベント終了後もその熱気は冷めやらず、「自分にとっての第2象限はなんなのか」、「明日からできることは」と口々に話し合う、いつになく熱いいぐするテラスになりました。

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取材協力:Green-Room株式会社
文章・写真:寺尾まりえ(ワカツク)

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この記事を書いた人

寺尾 まりえ
寺尾 まりえ
ワカツクコーディネーター
寝つきのよさと目覚めのよさが自慢。趣味は映画鑑賞。