「有限会社竹鶏ファーム」赤渕利恵さん【いぐするテラス】
12月18日のいぐするテラスのゲストは、有限会社竹鶏ファームの広報・マーケティング室、赤渕利恵さんです。
△自社製品の“卵かけご飯用”の醤油、マヨネーズ、燻製卵とともに
竹鶏ファームは、宮城県白石市の養鶏場で鶏卵や鶏肉を生産し、販売している会社です。特徴は、ズバリ「竹炭」!もともとは悪臭対策で始めた竹炭づくりでしたが、今では竹炭を餌に混ぜたりお水に入れたりして活用しています。そうして竹炭のチカラを受けて産まれた卵は「竹鶏たまご」のブランドとなり、平成29年度の「食材王国みやぎ推進優良活動表彰」において、ブランド化部門の『大賞』を受賞しました。
当日は、「マーケティングを学びたい」という若手社会人や、「地域活性化に興味がある」という大学生など7人が参加しました。赤渕さんは、「私の働き方は、結構特殊なんです」と、現在の仕事や今後の展望についてお話ししてくれました。
興味のなかった業界への転職
赤渕さんは、岩手県雫石町出身。実家は兼業の米農家で、「全く興味を持てなかった」と言います。専門学校を卒業し、語学スクールで営業の仕事を7年経験した後、「幅広く、いろんな仕事をしたい」と退職。大手飲料メーカーなどで事務の仕事をしました。竹鶏ファームに転職したのは、2017年2月。両親には「興味ないって言っていたのに」と驚かれたそうです。
竹鶏ファームに惹かれたのは、なぜなのでしょうか。「会社の常務が、単なる営業だけではなく、外で活動していく姿が面白いと思った」と赤渕さん。常務の志村さんは、地域の人たちと仕事以外のネットワークをつくり、会社ではなく一個人としても“竹鶏たまごを買ってもらうためのきっかけ”を作っていました。「志村さんの卵を使っています」と、写真を飾ってくれたパン屋などのお店もあるそうです。
「今思えば、これが広報の始まりであって、このような生産者と消費者のつながりが大切だと感じるようになりました」。
「ありがとう」と言われる仕事がしたい
赤渕さんは、本社のある白石市から一人離れて、仙台で仕事をしています。広報やマーケティングの担当者として、取材対応やSNSでの情報発信、POPの作成、Webショップのブログ更新などを行っています。「今後は自分たちで、自社商品を食材に使ったレシピを発信できたらいいな」と意気込んでいます。
竹鶏たまごを取り扱う飲食店は、約500店舗。それらのお店に自ら足を運び、料理を食べ、レポートを書いています。「実際にお店の人とやりとりして、交流を大切にしたいんです」と赤渕さん。現場でどんな商品が求められているのか、どんな要望があるのか、それらを自分の耳で聞くことができるメリットがあると言います。
赤渕さんの目標は、すべての取扱店を回ること。「お客様の生の声を聴くことができる。前職の事務では、できなかったこと。実際に『ありがとう』と言われる仕事をしたいんです」と語ってくれました。
“知らない人”探しをしたい
「皆さんは、竹鶏ファームを知っていましたか?」と赤渕さんが尋ねたところ、参加者の半数以上が「知らなかった」と答えました。
私は、自分の会社を知らないという人がいたら悲しくなるだろうなと思いましたが、赤渕さんは「知らないという方がたくさんいて、嬉しい!」と言うのです。「まだ出会える人がいるよね、というワクワクを見つけるために、竹鶏ファームを知らない人を探したい」と赤渕さん。今後、そんな人たちと出会えるような企画もやっていきたいと語ってくれました。
取材を終えて
赤渕さんのお話を聞いて、「広報・マーケティング」に対するイメージが、私の中で大きく変化しました。型にとらわれず、自らのやり方で仕事に向き合っている、そんな風に感じました。また、イベントの中で、竹鶏たまごが使用されている地元菓子店(松華堂)のカステラをみんなでいただきました。とても美味しかったです!
取材協力:有限会社竹鶏ファーム
文章:山田紗也(東北大学修士1年)
写真:安部静香(いぐする仙台)
この記事を書いた人
- 猫好きの猫アレルギー。猫カフェに行くのが夢!趣味はカメラ、ケーキ作り、クレーンゲーム、インドカレー……熱しやすく冷めにくいため、増える一方で困っている。
この人が書いた記事
- テラス2018.02.15「有限会社竹鶏ファーム」赤渕利恵さん【いぐするテラス】
- テラス2017.11.02「株式会社シムネット」可野沙織さん【いぐするテラス】