テラス

「株式会社シムネット」可野沙織さん【いぐするテラス】

山田 紗也 山田 紗也
1,138 views 2017.11.02

「なりたい自分を実現する」ための選択

9月28日のいぐするテラスのゲストは、株式会社シムネット経営管理部の可野沙織(かの・さおり)さんです。学生記者の山田紗也が、感想を交えながら印象に残ったことをお届けします!

シムネットは、新しいWebサービスを生み出すIT企業です。2001年の設立以降、主にペット関連事業に注力しており、2016年には子会社として「みんなのペットオンライン株式会社」を設立しました。
可野さんは宮城県登米市出身。高校卒業後、アパレル業界に就職し、CS(カスタマーサポート)への転職を経て、現在の会社に就職しました。現在は、経営管理部にて採用・人事・広報などの幅広い仕事をしています。

いぐするテラスの参加者は大学生7名でした。可野さんは、参加者に様々な問いかけをしながら、「なりたい自分を実現するための選択」と題し、自身の経験とそこから得た気付きをお話してくれました。
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選択と実行のサイクル

高校時代、海外に留学したことで、日本のサービスレベルの高さに気付いたという可野さん。「ホスピタリティ(思いやり・配慮)を生かして働きたい」と思い、高校卒業後、アパレル業界で働きはじめました。しかし、育成環境が整っていなかったこともあり、入社して半年経っても売り上げはゼロ。“この仕事は向いていないと思い、育てる環境がある会社に転職する”か“もう一度先輩に教えを乞う”の2択で迷いました。「負けたくなかったので、私は後者を選びました」と話す可野さん。1年後、客単価7000円の店舗で、1日に30万円売り上げるトップスタッフにのぼりつめ、5年間で、数多くのベストスタッフ賞を受賞することができました。
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その後、IT企業のCS(カスタマーサポート)職に転職します。当時、世間がもつCS職のイメージは、誰でもできる責任の伴わない仕事、楽そう、などだったと言います。しかし、可野さんは「顔が見えないコミュニケーションにおいて、CSはとても価値のある仕事」だと考えていました。「そこでCSの価値を、私が証明しようと思ったんです」。しかし、実行には少し迷いがあったと言います。価値を証明しようとすれば、上の立場の人には煙たがられるし、白い目で見られるかもしれない。「このまま流れに身を任せるほうが賢いし、大人の対応だよと周りは言いました。でも私は納得がいかなかった」。
可野さんは“CSの価値を自分が証明する”か“流れに身を任せる”の2択から前者を選びました。そして、「CSとは、よりよいユーザー体験を提供する仕事」と定義し、お客様一人一人に合わせたサポートをそれぞれのCSが考え、提案・実行する体制を整えました。その結果、サービスは大きく伸び、「CSに価値がある」ことを証明することができたと言います。

もしも私が可野さんと同じ立場になったらどうするだろうと想像してみました。まず、同じような選択をする自信はないだろうなと思います。可野さんだから成功できたのであって、私が同じ選択をしてもそうはいかないのでは。失敗したらどうしよう?と怖がって選択すらできないかもしれません。しかし、このあとのお話を聞き、その考えは変わりました。

自分の「武器」と「軸」を意識しよう

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「みなさんは、経験から得た学びを、どんな武器に変え何に活かしますか?」可野さんは参加者に問いかけました。「私には、資格や学歴といった武器はありませんでした。しかし、選択し行動に移す力がありました」。“こうだったらいいのに”と思うだけで行動しないのではなく、その選択が正しいかどうかわからなくても実行する。自分が窮地に追い込まれた時、自分を守ってくれるのは“行動力”という武器なのだと可野さんは教えてくれました。

私は、私の武器を活かせているだろうかと考えてみました。これかな?と思うものはあるけれど、その活かし方が正しいのかと思うと、迷ってしまいます。

では、武器があっても迷ったときはどうすればいのでしょうか。可野さんは「周りに流されてしまい、自分が本当は何をしたいのかがわからなくなる時がある。そんなとき、なりたい自分、つまりは軸となるものがあれば、答えを見つけやすくなる。難題にぶつかっても、逃げずに耐えることができる」と教えてくれました。

「なりたい自分を見つける」2つのポイント

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「あなたはどんな人間になりたいですか?」と可野さんに問われ、私は、すぐに答えが思い浮かびませんでした。そこで、なりたい自分を見つける2つのポイントを教えてくれました。
1つ目は、“意識して選択をする”こと。「なんとなく流されて選択をせずに生きるということは、自分の人生に責任を持たないということ。自分の人生は、自分のものでしかないんです。誰も、責任を取ってくれない。周りに流されず、自分で責任を持って選択していくことで、どんな結果であったとしても、納得した人生を歩んでいけるのだと私は思います」。
2つ目は、“チャレンジする”こと。無難な選択ばかりしていては失敗や成功の経験が積めません。「まずはチャレンジしてみないと。経験した分だけ、可能性の幅が広がるし、若いうちは何回失敗してもいいんです!迷わずチャレンジしてください!」
可野さんは参加者へエールを送ってくれました。「“意識して選択すること”と“チャレンジすること” の2つを繰り返していくことで、自然となりたい自分を見つけられる。これだけは覚えて帰ってくださいね!」

取材を終えて

可野さんはとても明るくパワフルな女性でした。今日のお話を聞いて、私でも変われるかもしれないと思いましたと伝えたところ、「絶対できるよ!大丈夫!がんばれ!応援してる!!」と言ってもらい、勇気をもらえました。お話のなかでも、参加者の考えを一人一人聞いて笑顔で応えてくれる場面がたくさんありましたし、私以外の参加者も可野さんに勇気付けられたのではないでしょうか。
失敗を怖がり、なかなか行動に移すことができないという人はたくさんいると思います。私自身もそうでした。ですが、可野さんのお話を聞き、これからの選択と行動を変えて、いろいろなことに臆せずチャレンジしていきたいと思うようになりました。

取材協力:株式会社シムネット 
文章:山田紗也(東北大学修士1年)
写真:寺尾まりえ(ワカツク)

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この記事を書いた人

山田 紗也
山田 紗也
猫好きの猫アレルギー。猫カフェに行くのが夢!趣味はカメラ、ケーキ作り、クレーンゲーム、インドカレー……熱しやすく冷めにくいため、増える一方で困っている。