テラス

「一般社団法人ワカツク」内藤勘太郎さん【いぐするテラス】

西條 那菜 西條 那菜
276 views 2017.06.29

自分の人生は、自分で行動して切り拓く

自分がやりたいと思うことを見つけたとき、すぐに行動に移すことはできますか?新しい環境に飛び込むのが怖い、と感じている人は多いのではないでしょうか。
5月23日に開催されたいぐするテラスは、一般社団法人ワカツクの内藤勘太郎さん(38歳)の話を聞きました。内藤さんは、長期実践型インターンシップのコーディネーターとして、地元企業の経営者と学生のマッチングを行っています。これまでの自分の経験を活かして、数多くの学生のキャリア相談にも乗ってきました。
コーディネーターの仕事に就く前は、全く違う分野で働いてきた内藤さん。なぜ違う業種に飛び込むことを決意したのでしょうか?「社会人12年目の異業種転職」と題して、内藤さんと関わりのある学生が集まり、明るい雰囲気の中始まりました。

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地域を良くしたい

大学時代の専攻は放射線、いわゆる“理系”でした。大学を22歳で卒業してから12年間、医療機器メーカーでエンジニアとして働いていました。
「同じ仕事をしている人は全国に100人という珍しい職業でした。32歳という若さで管理職に就くことも珍しかったです」。
順調にキャリアを積んでいった矢先、転職を考えるきっかけとなる出来事が起きました。2011年に発生した東日本大震災です。関西出身ですが、転勤の都合で10年近く仙台に住んでいました。「地名を聞いてもどこにあるかわからないし、地域のことを全く知らなかった」と内藤さんは言います。「自分の住む町をより良くしたい」「まちづくりに携わることがしたい」と感じ、石巻や南三陸をたびたび訪れました。
いろいろな人に出会う中で、偶然見つけたのが“ワカツク”。大震災後に、社会課題の解決に挑戦することを目指して設立された一般社団法人でした。ここで働きたいと感じ、2013年からワカツクで働き始めました。34歳での転職でした。

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小さなことでもコツコツ取り組む

「人と関わることが多いワカツクでは、以前から勉強していたことが結果的に役に立ちました」と話す内藤さんは、前職ではコミュニケーションをとる機会が少なかったそう。自分で考えて話す、ということが苦手でした。
今、参加者の前で堂々と話す姿に、みんな「信じられない!」という表情をしていました。苦手だったものができるようになったのは、“未完了を完了にする”という内藤さんの考え方にあります。前職で人間関係に悩んでいた時、多様なコミュニケーションスキルを学んだことで、人と話すことが得意になりました。親への感謝の手紙を書く、生きてきた30年間を振り返ってみるなど、したいと思いながらもできていなかったことを行動に移すようにしました。小さなことからコツコツ行うことで、“できること”を増やしていきました。

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新しい世界に飛び込む勇気

「今までやってきたことを全て捨てて、新しいことに飛び込むのが怖い」と参加者は言います。内藤さんは「それは捨てるのではなく、見え方が変わるだけです。いろいろなことをつまみ食いしたいのなら、すればいいと思います。そこから見えてくるものに向かえばいい」と答え、ここでも内藤さんへの相談が始まっていました。
「未知の世界に行くことに抵抗はない」という内藤さん。実際に異業種に転職してみて、未経験だからこそ初めてのことに挑戦できました。いつも好奇心で行動していて、興味がある社外のイベントなどには積極的に参加しています。

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コーディネーターという職業を通して、「相手が自分の言葉で話せるように、気持ちを引き出すことを学んだ」と内藤さんは言います。
学生と関わるうえで大切にしていたことは「あなたは何がやりたいの?」と問い続けること。「主体性をもって自分で決めることで、辛いことがあってもやり切れます。自分がやりたい!と思ったことは、世の中にはマイナスなことでも、自分にとってプラスであればどんどん行動してほしい」と言います。
内藤さんの言葉に、「損をしてでもやりたいことが本当にやりたいこと。今の自分に置き換えてみて、行動できているか考え直してみようと思えました」「まずは行動してみます!」と参加者は背中を押されたようでした。

取材:一般社団法人ワカツク
文章・写真:西條那菜(ワカツク)

次回のいぐするテラスは7月5日♪

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