チャレンジ

【ワタシゴトレポート】ソノベ

ワタレポインターン
739 views 2016.03.08
「ワタシゴトレポート」は、地域の中小企業で活躍する方々への取材を通じ、地域の仕事や組織の魅力を発掘・発信するワカツクのインターンシッププログラムです。参加学生は将来のキャリアを考えるきっかけを見つけるため、取材・執筆活動を行いました。

十人十色、社員が輝くソノベ

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「株式会社ソノベ」は私たちの生活に身近な印刷会社です!仙台市青葉区に立地しており、自治体の広報誌、県内の高校や大学のパンフレットやウェブページなどを手掛けています。
「伝える」をカタチにし、人と人をつなぐことを目指すソノベの魅力に迫ります。

ソノベってどんな会社?

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昭和3(1928)年に創業し、2016年で88周年を迎えるソノベ。
社長の園部明郎さん(76)は、「マンネリは最大の敵」と1つの考えにとらわれず、変化を求め続けています。社内には、一際目立つ位置に社長の考えを表現した「step upの理念」のポスターが貼ってありました。「現在の延長線上に輝ける未来はない。我々が成長し、変革していくことによってのみ未来は開ける。いつの時代であっても、改革を唱える社員こそが当社の中心勢力である」。社員も日々理念を胸に活動しています。
ソノベは東日本大震災の後、復興の一助になればと「東北案内所」と、ウェブサイトの「miyagi ebooks」を立ち上げました。東北案内所は、復興で世界最先端の地域づくりを進める東北について、日本人と外国人がつながり合い、多文化共生による観光まちづくりに関する情報発信するプロジェクトです。「miyagi ebooks」は、電子書籍のポータルサイト。宮城県内で発行された資料を無料で閲覧できるサービスを提供しています。立ち上げから4か月で500冊の大学のパンフレットや広報誌、温泉のパンフレットなど幅広いジャンルの資料を開示しました。宮城県民はもちろんのこと、被災して他県に移り住んだ住民も簡単に情報を入手できます。ソノベは、インターネットなどの手段を用いて人と人を繋いでいるのです。

「総務」の枠組みを越える総務部

総務部の総務部部長の佐々木克(ささきかつ)さん(56)と三浦唯(みうらゆい)さん(24)にお話を伺いました。

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佐々木さんは総務部部長です。ソノベに勤務して34年、営業部と総務部で働きました。営業職を経験したことで、自分に与えられた仕事をこなすだけでなく、相手の意図を汲み取り行動するようになったといいます。
「社会から認知される会社になりたい」という佐々木さんは、社内の全ての部署と関わることができることや多くの情報を発信できる利点を活かし、「攻めの総務部」を目指しています。ソノベでは人材を財産としているため、人材ではなく「人財」という字を当てはめています。今後、定期的に社員の部署の異動や職務の変更を行い、全員が営業を経験することで「仕事に境界線を作らない人財」を育てたいと夢を語ってくれました。

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三浦さんは入社3年目です。2015年に求人のパンフレットを若手社員だけで制作した際は三浦さんもメンバーとして参加ました。自分たちが思い描いていたものが形になって完成したとき「ソノベはすごい。入社して間もない自分たちに、パンフレットをつくらせてくれるなんて!」と感動しながら話してくれました。
今は人事を担当しています。明るく気さくな印象ですが、実は極度の人見知りと恥ずかしがりやだったそう。入社後、「このままではいけない!」と思い、笑顔と目を見て話すことを心掛けたといいます。
ひと目見ただけで、相手の人柄がわかるという三浦さんは将来、洞察力を活かして人事の仕事をしていきたいと教えてくれました。

人を大切にする生産部

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▲左が千葉さん、右が上ノ台さん

ソノベの生産部は刷版や加工から印刷まで担当しており、品質管理を徹底しています。 商品に不備が出ないように、細心の注意を払って仕事に取り組んでいます。また、二交代制によって生産効率が上がり、短期納品が可能なこと、や水なし印刷といった環境に配慮した印刷を行っていることのが強みです。
工場長兼生産部部長の上ノ台武彦(うえのだいたけひこ)さん(58)と生産部整品発送課課長の千葉真比人(ちばまさひと)さん(40)は、営業職も経験しました。2つの部署の業務経験を活かしを理解しているからこそ、他の社員とも知識を共有することを心掛けています。
また上ノ台さんと千葉さんは仕事としてだけでなく、人と出会う「縁」を大切にしています。距離を縮めるために、個人的に連絡を取り合うことや、プライベートで釣りに行くこともあるそうです。
上ノ台さんは、たくさんの人と出会う中で刺激を受けました。そして巡り合いは大切であることを知り、人生で成長できるようになりたいと思うようになりました。
千葉さんは、中学生のころから「人の輪」を意識していたといいます。高校時代には、ソノベが工場敷地内のテニスコートを貸してくれたことに懐の深さを感じ、入社を決めました。震災を機に輪への意識がさらに強まったそう。「仕事では品質を維持することが重要で、できて当たり前のこと。仕事だけに留まらず、社内外の人との輪も大切にしたい」と言います。
上ノ台さんと千葉さんは生産部の魅力は「自由でのびのびとよい雰囲気で仕事ができること」だと話してくれました

取材後記

エネルギッシュで温かい社員がいる会社

ソノベを一言で表すならば、とにかく温かい!緊張して固まっていた私たちのためにリラックスできる雰囲気を作ってくれ、緊張をほぐすように声をかけてくれました。そして初対面にもかかわらず「これも何かの縁だから」と駅まで送ってくださいました。取材させていただいた皆さんが話すとき、目がキラキラ輝いていたのが印象に残っています。自分の仕事に誇りを持っているのだなと感じました。
取材を通じて、「縁」という言葉が心に残りました。一生涯で会う人は限られていると思うと、出会うべくして出会った運命なのかなと。私もこれからの一期一会を大切にしていきたいです。

文章:高橋杏奈(東北学院大学3年)
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