【ワタシゴトレポート】奥江呉服店
「永いお付き合い」を願って
地元に愛される呉服店
仙台市若林区荒町商店街に位置し、地元に愛され続けている「奥江呉服店」。着物事業という、普段あまり接することがないこの業種。日本人のライフスタイルが変わっても通じる日本の美を大事にしているお店だ。
大事な日の記念のために
大正10年(1921年)に創業し、現在に至るまでの94年間、時代の波を乗り越えながら、地元の人達に愛されている呉服店。着物の仕立て販売は勿論、レンタルや着物のクリニック、着付け教室など、着物関連全般の事業を展開している。また、同店で商品の新作発表会や、展示会、成人式などの、「晴れ着」の相談会も行っている。「永いおつきあいのできる呉服専門店」を目指すこのお店。日常的ではなくなったが、日本人のポリシーを伝える「きもの」。若女将とともに従業員を引っ張っている代表取締役、佐藤隆俊さん(53)に、話を聞いた。
『地域一』のサービスを目指して
「お客様第一主義」を掲げる同店は、人との信頼関係を追求してきた。
常にお客様の満足を考え、お客様のニーズに合った情報収集や発信を欠かさない。老舗ならではの店のネットワークを使い、よりよいサービスを提供している。
また、昔からのごひいきのお客様を大切にし、その子供から孫など家族代々の御用達のお客様を大事にしている。大手にはできないFace to Face(フェイス・トゥ・フェイス 対面)、「永いおつきあいのできる地元の呉服専門店」のポリシーのもと信頼関係を信念としているからだろう。
また、七夕祭りや青葉祭りなど、地元の行事にも参加し、地域貢献も積極的に行っている。
「毎日がチャレンジ、一日一日いつでも負荷をかけて過ごす」と話す佐藤さん。立ち止まらずに、「望むこと以上のサービス」を意識して、常に試行錯誤を繰り返し実践している。
環境に適応しつつも、良さはなくさない
常にお客様の側に立つ奥江呉服店、ライフスタイルの変化とともにニーズは低下し続けているのも事実。同店は仙台市を中心に、塩釜市、多賀城市など、店の約半径10km以内を商圏としてサービスを展開している。
「きめこまやかなサービスができることを大切にしているから」というのが理由だ。来店するお客様は女性が大半。「お届けすることで、顔が見え、心が通じると思ったので、このサービスを続けている」と話す佐藤さん。以前は着物を販売することが多かったが、着物に合うメイクや着付けの仕方を教える情報発信などを始めたという。また、今後はSNSの利用も視野に入れていると教えてくれた。
昔からのお客様を大事にしながらも、時代に合わせた商品開発を行い、振袖カタログなどでの情報発信も欠かさない。
サービスの質の均一化を基本として、その中でさらに向上していくこと。そして、お客様に常に安心と信頼を売るという信念を持って働いている。
「信念があってこそ、やりがいをもってたのしく働ける。」
その確固たる想いが、常に佐藤さん達の背中を押している。
取材後記
変えるものと変わらないもの
今回の取材を行うと決まった際、正直言って呉服店についての知識をほとんど持っていなかったので、不安を覚えました。しかし、奥江呉服店さんの情報収集を重ね、実際に訪問した際に、温かく、「昔ながらの日本企業的良さ」を残しているお店だと感じた。
これから就職する際に、どんな業種であっても、「自分の信念をもって働く」ことと、「毎日負荷をかける」ことはとても重要なことだと思います。
この取材を経て、少しですが確実に前進したと思います。ここで立ち止まらずに、毎日毎日進んでいきます。
まだ進む道も決まっていないのですが、先ほどの2つを大事にして日々を過ごせるように、意識をもっていきます。
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