自社企画のバスツアーで街と町、町と人をつなぎたい!「仙台バス」
私が今回取材した「仙台バス」は貸切バス事業だけでなく、バスツアーを行っています。具体的にどんなことをしているのかな…。こんなこと?いや、あんなこと? ダ、ダメだ。妄想は膨らむばかり…これは行かねば!!
仙台バスって、こんな会社!
仙台空港から徒歩30分。だんだんと磯の匂いがしてきました。そして見えてきたのが仙台バスのマークである伊達政宗ときれいに並べられたバス。
仙台バスの創業は約40年。保有しているバスはなんと30台です。もともと、旅行会社から委託されてバスを手配する、貸切バス事業しか行っていませんでした。それを変えたのが現在の会長、猪股正之さん(2代目)です。
猪股さんは、自社でバスツアーを企画し、旅行会社に頼らない事業を展開しました。これからも面白い企画を考えていくというから、目が離せません!!
運転手の技術の高さ
昨年、東北楽天ゴールデンイーグルスが優勝し、たくさんの人たちが喜びでいっぱいになったのは記憶に新しいですよね。昨年11月24日に行われた優勝パレードには、21万人の人が訪れました。なんとパレードで選手が乗ったバスの運転を務めたのが、仙台バスの運転手さん!
パレードの運転で大変なことってなんでしょうか?
「ゆっくり走ることかな」と猪俣さん。バスはマニュアル車のため、ゆっくり走るようにできてないそうです。
大舞台で難しい運転を安全に行う運転技術の高さの裏には、経験を重視する仙台バスの姿勢があります。仙台バスの運転手は中途採用者が多く、主に路線バスの運転士だった人です。最初は日帰りのバスツアーから担当し、慣れてきたら1泊2日のツアーの運転を行います。多くの経験を積み重ねているからこそ高い運転技術が身についています。
そんな経験を積んだ人しか座れない“特等席”に、特別に座らせてもらいました!
思ったよりも視線はそんなに高くない…。ただ、ハンドルが大きくて回すのが大変そうです。
歴史好きも乙女心もくすぐる自社企画ツアー
面白いバスツアーをたくさん実施していることも、仙台バスの魅力です。「今後、さらに自社企画ツアーを増やしたい」と猪股さん。
これまで企画してきたツアーは「伊達家ゆかりの歴史探訪青根御殿で豪華ランチの旅」や「女子に嬉しいパワースポット♡みちのくおとぎ街道花巡り」などなど。歴史を学び体験できるものから、女子のトレンドをつかんだツアーまでバリエーションは豊富です。
そもそもバスツアーってどうやって作っているんだろう?
まずはツアーの候補先に実際に赴くそうです。どれくらいの人数に対応できるか、天候に左右されないか、など細かい部分をもれなく確認のうえ、ツアーを完成させます。
しかし、そこには課題もあります。「集客にコストがかかり、自社企画ツアーをたくさん実施していくことは想像以上に大変」と猪股さん。季節を替えて同じ場所を楽しめるツアーにしたり、現地の人に四季折々の魅力を伝えてもらったりしてリピーターを増やすなど、課題解決のために様々なアイデアや工夫を考えています。「自社ツアーのファンをたくさん増やしたい」と力を込めます。
日々成長を求めながらお客様の満足を考える
「どこで働くかも大事だが、誰と働けるかも重要なことではないだろうか」と猪股さんは自身にも社員にも日々の成長を求めています。
また、猪股さんが社長だった当時は貸切バス事業だけの会社でしたが、「旅行会社の下請けだけだとこれからは生き残れない」と危機感を覚え、どうにか抜け出せないかと考えるようになりました。「貸切バス事業でうまくいっている」「自社でツアー企画し募集している」という内容のセミナーを知り、東京まで聞きに行ったこともあったそうです。その結果、仙台バスは、現在の自社企画ツアーの事業も行うようになりました。猪股さんの行動力でバス会社の可能性を広げたのです。
現在でも猪股さんは行動することを大事にしています。業務とは関係なさそうなイベントでも「自社で活かせることがあるかもしれない」と積極的に参加しています。自社ツアーをより良いものにするために、お客様により満足を感じていただくために猪股さんは行動しています。
自社企画ツアーが生み出すもの
「街と町、町と人、人と人が繋がってほしい」と猪股さん。その思いを現実にするために行うのが自社企画ツアーだと言います。
「それぞれの地域の魅力に触れることで充実した生活を手に入れ、地域を元気にできると考えている」。行動を起こすことで、可能性が広がると猪俣さんは信じています。仙台バスの自社企画ツアーに参加した人が、ほかの地域に行き、その地域の良さを知り、人々がよりよい生活を営んでほしい。それが猪股さんの願いです。
行動を起こし、得たものを無駄にしない。それを続けていけば現在見ることができない景色も見えるかもしれません。今まで見ることができなかったものを見るために、これからも走り続けます。
この記事を書いた人
この人が書いた記事
- イケ社2014.11.17お客様の何気ない一言も大切にしたい!不動産会社「山一地所」
- イケ社2014.06.20自社企画のバスツアーで街と町、町と人をつなぎたい!「仙台バス」