学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
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木造建築に自信!106年続く仙台の匠「菅誠建設工業」

久道潤也 久道潤也
1,497 views 2014.06.06
久道潤也 久道潤也 東北学院大学3年(執筆当時)
「リノベーション」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか? ぼんやりと日曜の夜に放送している某番組を思い浮かべた方も多いと思います。テレビでやっているような会社が仙台にもあるのかな~?そう思っていた僕に、「菅誠建設工業」の取材が舞い込んできました。仙台で働く「匠」に、東北学院大学3年の久道潤也がお話を伺ってきました!

菅誠工業って、こんな会社!

仙台市青葉区川内亀岡町にある菅誠建設工業は、新築やリフォームを行う建設会社です。会社は代々続く家族経営。大工さんだった曽祖父の時代から数えると現在の社長、菅原清秀さんは4代目で、106年続く歴史ある会社です。

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経営理念は「ずっと幸せな家づくりを通して明るく豊かな地域創りに貢献すること」。
お客様の多くは古くからの付き合いやそのご紹介がほとんどで、地域に密着した仕事をされています。会社は菅原さんと奥様、大工さんが2人の計4人で、そのほかに外部業者や大工さんのグループと連携して仕事をしています。お客様の暮らしを長期的な視点に立ち、長く暮らせる家づくりを考え、利益の追求よりもお客様の暮らしを何より大切に考える。そんな熱い思いを持った菅誠建設工業のみなさん。地域のお客様だけでなく、共に働く人たちとの信頼も厚い地元企業です。

仙台の企業魅力3つ

環境に配慮!木造の良さとは?

菅誠建設工業が得意とするのが木造建築。「木」には人一倍思い入れがあるそう。

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「木の色は人の肌と同じ色をしているから自然と落ち着くんですよね。木造の家は材料である『木』が生きてきた分だけ、住むことができるのです。つまり、樹齢200年の木を使った家は200年続くんですよ」と菅原さん。なんと!木造の家がそんなに長く持つとは!先代が大工さんということもあり、継承された知識と経験があるからこその言葉です。

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「解体しなければいけないアパートも、リフォームして再生したい」。東日本大震災によって壊れかけた家屋の解体には国からの補助金が適用されるため、取り壊されてしまうことが多くなりました。木造の家は200年も住める建物。「再生すればまた住めるようになる」と菅原さんは訴えます。新しい家だけでなく、古い家も長く住み続けてほしいという思いが伝わってきます。

人情味あふれる社長!

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菅原さんが、あるスライドショーを見せてくれました。これは共に働く大工さんへの感謝の思いを込めて制作したもの。それぞれの子どもたちに父親の働く背中を見せてあげたいと、社長自ら作ってプレゼントしました。そこに映るのは一緒に仕事をした職人さんや大工さん。働く姿が輝いています!

実はこのスライドショーで、菅原さんが体験した出来事が出てきます。ある新しく家を建てる仕事をしているとき、手続きの都合で予定より遅れてしまいます。お客様のご都合もあり、できるだけ早く仕上げてあげたいと思っていた矢先、水道屋さんの社長が亡くなってしまいました。急いでいたが仕方ない…と社長が困って現場を見に行ったところ、もともと配管工事が終わる予定の次の日には、なんと工事が終わっていました。驚いた社長は水道屋さんに電話しました。すると、「工事が終わってないと困ると思って」と葬式前にもかかわらず終わらせてくれていたのです。他の業者と仕事を共にするなかでも、しっかりとした信頼関係を築けているからこそ、菅誠建設工業は地元の皆さんから愛される会社なのだと感じました。

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仕事を楽しむ!お客様も自分も幸せになる仕事

地域に密着した仕事の菅誠建設工業ですが、東日本大震災の時もいつも大切にしている想いは変わりませんでした。たとえ、より利益が出る仕事であったとしても、今までお世話になってきたお客様優先。新規のお客様はほとんどお断りしたそうです。「人手不足でどんな人が直すかわからない。信頼のおける大工さんを集めて、うちでやらせてほしい」と社長はひいきにしてくださったお客様に連絡しました。すると、お客様は「そうしてください」と社長に言ってくださったそうです。

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社員研修は人気のテーマパークに行くことも考えているそうです。なぜテーマパークに?と思ってなぜかと聞くと「建物をわざと古く見せたりする技術やそのアイデアが建築のヒントになるから」と答えてくださいました。新しく見せるだけでなく、古くても味のあるように見せる技術はリフォームにも通じているのです。お客様のことを大切に思いながらも、自ら仕事を楽しむ、そんな素敵な会社の社風がうかがえました。現在は大学生のインターシップを受け入れ、その学生と一緒にアパートのリノベーションに取り組んでいます。「学生の柔軟な想像力を取り入れていきたい」と菅原さんは意気込みます。

長期インターンシップに取り組む大学生からコメントが届きました!

taiki佐藤大輝(たいき) 東北大学3年
菅誠建設工業で半年間のインターンシップ中

2014年4月から菅誠建設工業で半年間のインターンシップに取り組んでいます。主なミッションは新事業の立ち上げで、リノベーションという新しい分野に挑戦しています。2カ月が経ち、リノベーションする古いアパートのデザインコンセプトの決定とデザイン案の公募が完了。間もなく第1号リノベーションハウスの工事が始まります。最初は単なるアイデアだったものが着実に形になっていくのを間近に見ることができ、将来、起業したい私にとって大変やりがいのある仕事です。残り3カ月、菅誠建設工業の新しい柱となる事業に成長していくように、しっかりとした土台作りに努めていきます。

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外装リノベーションを行うアパートです。2カ月後には生まれ変わります。

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関東視察での集合写真。社長一家、大工さんたちと一緒にテーマパークを満喫!(右上が私です)

まとめ

今後は新人大工さんの育成にも力を入れていくそう。実は今度入ることが決まった新しい大工さん、最初はたまたま仕事場を通りかかった青年でした。もの作りが好きで、大工さんになりたい、そう思った彼は飛び込みで菅誠建設工業に働きたいという旨を伝えました。履歴書には「もの作りを通じてお客様に喜んでもらいたい」と書いてあり、自分のしている仕事が「お客様に喜んでもらえる仕事」と思ってもらえたことと、同じ思いを持って来てくれたことが、菅原さんの胸を打ちました。「絶対いい大工さんになってもらいたい!」と思ったそうです。「利益だけを考えている人は、うちには合わないのかもしれません。仕事で得られるのはお金の利益だけでなく信用という利益も得られるのです」。
「社員の成長は会社の成長」と菅原さんは誇らしげに語ってくださいました。

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取材写真: Yuko YANASE
その他写真提供: (株)菅誠建設工業
「人に喜んでもらえるのが嬉しい」という菅原さんの言葉は、私にとって新鮮な言葉に聞こえました。今まで高い給料で、名のある企業に就職しなければならないと無意識に考えてしまっていたためかもしれません。どんな仕事であっても誰かの役に立てる人間になりたい、素敵な笑顔で話す菅原さんを見ててそう感じました。まだまだ未熟者ですが、素敵な大人になれるよう頑張るぞ! 私の気持ちが“ビフォーアフター”した1日でした!
久道潤也久道潤也東北学院大学3年(執筆当時)
文章:名前(○大学○年)
写真:名前(○大学○年)
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株式会社 菅誠建設工業
http://www.sugasei.com/
創業昭和33年
資本金1000万円
住所宮城県仙台市青葉区川内亀岡町48
電話番号022-225-4643

この記事を書いた人

久道潤也
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