学生記者がお仕事の魅力を発見!仙台イケてる会社訪問
イケ社

4代目は野菜ソムリエ!おいしい野菜を求めて西へ東へ「蜂屋食品」

竹林 美歩 竹林美歩
1,229 views 2014.05.09
竹林 美歩 竹林 美歩 宮城学院女子大学3年(執筆当時)
私の故郷・青森県産のニンニクを丸ごと使った餃子がある!?
野菜のおいしさをとことん追求しているですって!?
これは調べない(食べない)ワケにはいきません!
お酒とニンニク、ニラが大好きな竹林が取材に行ってまいりました。

蜂屋食品、こんな会社です!

JR本塩釜駅から歩いて20分。宮城県塩釜市貞山通に、創業90年を迎えた「蜂屋食品」があります。

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宮城県産の食材をふんだんに使った代表商品「はちやの餃子」や、青森県産のニンニクを丸ごと包んだ「田子にんにくまるごと餃子」など、素材の良さ、それを引き立てる食感にまでこだわった冷凍生餃子を製造しています。野菜ソムリエの資格を持つ、4代目に当たる専務の蜂屋和彦さんが自らおいしい野菜をセレクト。「2代目の祖父が始めた餃子作りを次の世代へ伝えるため、地元に愛される会社であり続けるため、製法は大きく変えず、食材や売り方に工夫を凝らす」。そんな努力を続ける蜂屋食品のモットーは「真心込めた仕事をする」。知恵と技術、プラス真心がこもった、“あたたかい餃子”を食べてもらうため、全社一丸となって仕事に励んでいます。

仙台の企業魅力3つ

“老舗”だけど“挑戦者”

「うちは始め、かまぼこ屋でした。餃子作りは50年前くらいから。祖父が戦前に満州から持ち帰った文化なんです」

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蜂屋さんのおじいさんが戦時中、満州で食べた餃子に感動。この味を再現したいと試行錯誤して作ったのが蜂屋の餃子作りの始まりです。かまぼことチルドの餃子は保存方法と流通経路が似ていたため、元からあった設備や技術を活かして生産することができました。そこから続いた歴史を絶やすわけにはいかない。蜂屋さんは次の世代へ繋げるため、変化し続ける時代に合わせてやり方を変えてきました。現在販売されているほとんどの商品は蜂屋さんの代になってから開発したもの。話題性や安心感、お客様においしいと思ってもらえる餃子を作りました。現在はインターネットでの通信販売に力を入れています。

「新しい餃子の商品開発はするけど、作り方はほとんど変えていません。残してくれた技術は守りながら、新たなアイデアや売り方で新しいことに挑戦しています」。
今は業務用の販売が7割ですが、家庭用を増やすことが目標と語る蜂屋さん。時代のニーズに合わせ、たゆまず変化する蜂屋食品は成長を続けます。

強みはズバリ「食材」

「はちやの餃子」の特徴は、こだわり抜いた野菜です。
ニンニクは臭みが少なく、減農薬で作られた安全安心な青森県産のものを。その他の食材も宮城県産を多く使用しています。頼りになるのは蜂屋さんが持つ野菜ソムリエの資格。蜂屋さん自ら生産者の元へ赴き、食材の品質をチェック。季節によって変化する“野菜のおいしい生産地”に合わせて買い付けます。さらに、蜂屋食品では食感も計算して野菜をカット。味付けも印象が薄くならないように考慮しています。
青森県田子町のニンニクなどを使用した「田子にんにくまるごと餃子」では、理想のニンニクを求めて県外にも構わず足を運びました。
仙台産雪菜を使った「仙台あおば餃子」や宮城県産を中心とした、みずみずしいニラが入った人気商品「まんまるもちもち水餃子」など、素材へのこだわりが見えます。

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「宮城の野菜を使って地産地消の流れを作り、長く地元に愛される会社にしたい。お客様にとっても、地元の野菜を使うことで安心して食べてもらえます」と蜂屋さん。
今後も地元の野菜の魅力を宮城県の人に知ってもらいたい。そして全国にも野菜の魅力を伝えいきたいと目標を語ってくれました。

工場を支えるみんなの「お母さん」

「工場を見学させてください!」
いきなりの申し出に蜂屋さんはOKサイン。帽子にマスク、業務服を装着。業務後でも徹底した衛生管理がなされています。
いざ、工場内へ!
ニラとニンニクの香りがほんのりする中、工場内は清掃活動中。
餃子のタネを混ぜる機械も清掃済み。明日の作業に備えています。

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出入り口の清掃を行っていたのは名田冨美江さん。蜂屋さん一押しの名物社員です。作業の指示を積極的に行い、従業員を引っ張ってくれる存在。

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御年64歳で勤続16年以上。2代目の時代に働き始め、蜂屋さんを大学生時代から知っている方です。「私の母親みたいなものです。製造業務だけでなく、直売やイベントでも一緒に働いてくれます」。直売イベントでは蜂屋さんの心強い“相棒”。社内でも直売所でも積極的に行動し、明るい名田さんにいつも助けられていると話します。
「専務(蜂屋さん)は気さくで親しみやすいです。とても素直だから、従業員からの支持も厚いですよ」。製造業は淡々と作業をこなすイメージでしたが、「餃子はどこにも負けない、一番だ!」と胸を張る名田さんは会社愛に熱い人でした。

4代目の夢

「蜂屋の餃子をいつでも食べられるようなお店を出したい」。蜂屋さんが見据える夢は「餃子のお店を出す」ことです。そのためには自社のブランド力を高めようと新商品の開発に力を入れています。安定的に「蜂屋の餃子」ファンを取得するため、まずは市販の売り上げを伸ばそうとネット販売や市販に積極的に取り組んでいます。餃子にかける想いは人一倍。すべてはお客様においしいと言ってもらえる餃子を作りたいから。

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自宅でも自社の餃子を食べ、全国どこへでも足を運ぶ蜂屋さんの研究魂で蜂屋食品は今後も成長を続けます。

取材を通してチルド食品への考え方が変わりました。化学調味料を使って、体に悪いものというイメージがありました。しかし、蜂屋食品のおいしさの追求と安全性、清潔への管理徹底を間近で見て、食に対する思いがどこよりも強いと気づきました。私たちが工場に5分程度入った後、長靴を再度洗い直していたこと、清掃後の機械を1度動かして見せていただいたこと、作業中にも関わらず道を開けて挨拶をして頂いた姿をみて、蜂屋さんが従業員に徹底している「5S」(整理・整頓・清潔・清掃・しつけ)の精神を感じました。いきなりの工場見学に快く対応してくださった蜂屋さん、従業員の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
家に帰ってからお土産にいただいた「まるまるもちもち水餃子」は皮が厚めでモッチモチ。とてもおいしったです。読者の皆様もぜひ味わってみてくださいね!

竹林 美歩竹林 美歩宮城学院女子大学3年(執筆当時)
文章:名前(○大学○年)
写真:名前(○大学○年)
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蜂屋食品株式会社
http://www.hachiya-foo...
住所宮城県塩竈市貞山通3-3-27
電話番号022-364-8211

撮影協力

鈴木 凌
鈴木 凌
宮城教育大学3年(執筆当時)