記者(個人)

市民とNPOのパイプ役として

荒美咲 荒美咲
31 views 2014.02.28

 市民活動の情報をもっと市民に分かってもらいたい。それが「杜の伝言板ゆるる」(仙台市宮城野区榴岡)のはじまりだ。

 ゆるるはNPOを支援するNPO団体である。NPO活動の情報を発信する情報誌「月刊ゆるる」の発行、NPO団体の人材育成講座の開催などを行っている。

月刊ゆるるは市民向けに発行し、「NPOとはどんなものか」をわかってもらうことが目的だ。市民活動の状況は市民に伝わりづらく、メディアもあまり取り上げない。そこで「自分たちで発信していくしかない」と考えた。

震災直後、通常より2週間ほど遅れたものの、4月7日には4月号を配布した。メインは震災の状況や仙台市内の救援活動について。しかしこの中には平常通り、これから予定される講座についてのインフォメーションが記載されていた。「いつもと同じ情報もあってしかるべき」と代表理事の大久保朝江さん(65)は冷静だった。震災が起きても市民に市民活動を伝えるという使命を忘れていなかった。

▲冷静に語る大久保朝江さん=8月27日、宮城野区榴岡のみやぎNPOプラザ

被災者支援の活動を行うNPOは注目されても、他のNPOの活動は見えにくい現状がある。例えば、被災地の高齢者のケア、子育て支援の問題など。しかしこれは被災地だけではなく、どこにでも存在する問題だ。普段の生活の中で困っていることはたくさんある。その支援をするNPO活動の形態は様々。現状の問題に対し地道に活動しているNPOを取り上げることが、ゆるるができる支援の一つだと考えている。

NPOに専門スキルを教えることもゆるるの役目だ。震災後NPOがない地域に地元の人たちによって多くのNPOが設立された。地元の人によるNPOには“継続”があると期待している。復興には長い時間が必要であり、地元の人による運営は長期的に支援をすることが可能だ。しかし運営の経験がないため、企画書の書き方がわからない、お金の管理ができないなどの問題が山積している。帳簿のつけ方、助成金の報告書の書き方などの講座を開講し、レクチャーしているのもそのためだ。

どんな状況下でもゆるるは、ぶれない軸を持っていた。市民活動情報誌として市民に必要な情報を、NPOを理解してもらう情報を提供。目の前の大きな問題にとらわれず、視野を広く持つことを重要視していた。これからも市民とNPOの間に立ち、市民に情報を伝えていく。

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この記事を書いた人

荒美咲
荒美咲
宮城大学2年
宮城大学