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イケ社

社員の7割超が有資格者、人材育成に裏づけられた技術力が強み「株式会社 登米精巧」

大西 峻介 大西 峻介
163 views 2018.08.16
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大西 峻介 大西 峻介 東北大学
私の地元・神奈川県は自動車メーカーの大きな工場があり、自動車産業が盛んな地域です。大学進学で宮城県に来てから、宮城の自動車産業についても気になり、関わっている企業を探していました。そこで見つけたのが、大手自動車メーカーと取引している「登米精巧」。他にも航空宇宙や医療、食品などさまざまな業界に向けた部品や機械を生産しているそう。会社設立のきっかけや、現在どのような製品を取り扱っているのかなどを取材してきました!

登米精巧ってこんな会社

向かったのは渡り鳥の飛来地として有名な伊豆沼のほど近く、仙台市から高速道路を使って約1時間の登米市。高速を降りて、大自然の中を通り抜けた先に登米精巧の本社工場があります。30℃を超える猛暑の中、なぜかバイクで向かった私は、着く頃には腕が真っ黒になっていました(笑)

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登米精巧の主な事業は、産業機械・産業ロボットや精密機械部品の製造、鉄板を加工して部品を作るプレス加工などです。中でも、創業当初から手がけているプレス加工は、1枚の鉄板を折って加工し、製品を作る“鉄板の折り紙”。折るために必要な金型も、自社で設計・生産しています。プレス加工された製品は、自動車やパソコン、コピー機などの部品として使われています。

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他にも1個数銭から数千万円まで幅広い製品を作っています。本社工場の他に、気仙沼市でも工場が稼働しており、社員数は約120人です。

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創業は1989年、ちょうど今年で30周年を迎えました。代表取締役の後藤康治さんは、大手精密機器メーカーで35歳にして部長を任されていましたが、その年を区切りに起業しようと決意して退職。しかし、何の会社にするかは決めていませんでした。
後藤さんの経験がもったいないと、勤めていたメーカーのグループ会社から「支援をするから起業してみないか」と提案され、登米精巧を設立することになりました。

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▲後藤さん

仙台の企業魅力

技術力と一貫生産体制で多様なニーズに対応

登米精巧では、取引先のメーカーから依頼を受けて、オーダーメイドで機械の設計から開発、加工、組み立てまで全て自社で行い、製品を納めています。製品には、自動車やスマートフォンの中の電子部品、航空機のエンジンを作るための機械などがあります。
“会社の成長につながる”として、幅広い産業へチャレンジしてきたことで、多様なノウハウや技術を異なる分野へ活用し、お客さんに提案できること。そして、設計から生産まで自社で可能な「一貫生産体制」を構築しているため、お客さんの細かな要求にも対応できることが強みです。

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▲製品が自動車に組み込まれるイメージ

私たちが普段使っているさまざまな製品は、完成した状態で手元に届くまでに、数多くの部品から工場で組み立てられています。そのような部品や、工場で組み立て作業を行う機械をつくっているのが登米精巧。私たちは見ることがないけれど、ものづくりには欠かせない製品を作っている縁の下の力持ちです。

社員の資格取得を奨励し、技術力を向上

高い技術力を武器に、数々の大手メーカーと取引をしている登米精巧。それを支えているのが、社員の育成の徹底です。社員の71%が有資格者で、ほとんどは入社後に資格を取得しています。国家資格の「技能士」には、特級1人、1級17人、2級54人が技能検定に合格し、その技能を生かして働いています。
社員の育成に力を入れているもう1つの理由は、働いてくれていることに対する恩返しの思いから。技能を磨くことが“自信”と“誇り”になり、それが社員と会社の共有財産になるとして、登米精巧では技能検定の資格取得を推奨し、受験料は2回目まで会社が負担しています。

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また、社内での教育はもちろん、自ら学ぶことも大事だとして通信教育も取り入れられています。新人から役員クラスまで、全社員がそれぞれのレベルにあったカリキュラムを選択し、受講しています。

受注生産から自社生産へ

工場では、1個数銭から数千万円まで幅広い製品を作っています。現在は100%受注生産で、お客さんから研究開発費としていただいたお金で製品の設計・開発に取り組んでいます。今後は、オリジナルの自社製品を作り、売上の10%を占めるまでに持っていくのが目標だといいます。

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一貫生産体制があるので、自社製品を作ることは技術的には可能です。しかし、自社製品をつくるとなると、営業や市場開拓、販売後のサービスなどに新たに力をつぎ込まなければなりません。これまでのように、良いものを安くつくることを重視し、ものづくりに特化した会社というわけにはいきません。
「少ない人数で行うことはなかなか難しいけれど、“会社の技術の証”という意味と、若い社員に“自社製品を作れる”ということを分かってもらい夢と目標を持ってほしいという意味で、機会があればチャレンジしてみたい」と後藤さんは話します。

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これまで自分にとってあまり身近ではなかった製造業に触れ、実際に工場で働く様子を見させていただき、貴重な経験ができました。工場でつくられた部品や機械が、気付かないところで私たちの生活に大きく関わっているのだと知ることができて非常に興味深かったです。勉強と努力を繰り返して技術を身につけ、それを活かして働いている姿はかっこよく見えました。私も将来は同じように何かの分野でのスペシャリストになれるように頑張りたいと思います。
大西 峻介大西 峻介東北大学
文章:大西 峻介(東北大学3年)
写真:長崎 陽平(東北大学3年)
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株式会社登米精巧
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この記事を書いた人

大西 峻介
大西 峻介
東北大学
江戸時代にペリーが上陸した街から仙台にやってきました。地図を見るのが好きで、密かな夢は全国の市町村に足を運んで制覇すること!