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「お直しを通して日本一愛される会社を目指す」 ~守井嘉朗社長インタビュー~

やなちゃん やなちゃん
2,092 views 2013.12.13
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仙台のお直し専門店「株式会社ビック・ママ」

株式会社ビック・ママは、南は広島から北は札幌まで、60店舗を運営するお直し専門店。社員約150名をかかえ、洋服以外にも、くつ、バッグ、アクセサリーのお直しとクリーニングを手掛けています。
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本社は仙台市青葉区北目町。好奇心をたずさえて、お店の2階にある事務所に伺うと、守井嘉朗(もりいよしろう)社長がほがらかに迎えてくれました。
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ビック・ママの立ち上げ

守井社長は、大学卒業後、半年くらい保険の営業職につき、エリア開拓賞をとるなど、優秀な成績をあげていました。しかし、保険を売る際に嫌がられることも多く、「同じやるなら喜ばれる仕事をしたい、自分で会社をつくろう」と思い退社します。父親が、守井加工所という作業所をつくって衣服の修繕をしていたので、まずは手伝うことにしました。

平成5年にビック・ママを設立し、1つの作業場と作業員2人からスタート。
「飲食や保険など、色々な事業を生み出す母親のような会社になりたい」との想いを込め、「ビック・ママ」と命名したそうです。

しかし5、6年目で経営が傾き、得意のお直しに集中しようと決意します。

現在、「お直しコンシェルジュ」こと「ビック・ママ」には、「忙しいお母さんに代わって針仕事をする」といったコンセプトが込められています。

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ビック・ママってどんな会社?

守井:お客様から見れば、あきらめていたもの、こだわっていたものが自分の思い通りに直せることが魅力なのだと思います。スタッフ側から見ると、お客様から『ありがとう』と言ってもらえたり、直接お褒めの言葉をかけていただける素晴らしい仕事です。

守井:規模的に東京を中心に出店していながら、仙台に本社があるのは、弊社くらいかと思います。東北の人は仕事としてはあまり東京に出たがらないところがあります。負けちゃいそうと…。私は、東京が好きです。基本的に戦っていたいです。

今後は、海外進出も考えているそう。
まずはシンガポール。それが実現すれば、パリニューヨーク

守井:“日本の『もったいない』を世界へ”というのは、私の次の10、20年くらいのテーマです。日本の『もったいない』を世界へ広げていきたいと思っています。

守井:そして、これからはタブレット端末で受付をしていきたいです。目標のひとつが、多言語に対応したタブレットを開発すること。例えば、『丈つめ』なら、それに対応する表示に触れれば、その国の言語で『丈つめ』と書かれるような。日本人が受け付けをしようが、外国人が受け付けをしようが、同じ作業でできるようにすることが次のステップです。

守井:このタブレット端末などを販売するために、システム会社もつくりたいですね。自分のアイディアを世に出したい、問いたいと常に思っています。

守井社長は、生まれも育ちも宮城県仙台市。店舗を広げていくガッツや目標を次々と掲げていく自信はどうやって培ったのでしょうか?

コンプレックスを跳ね除け

守井:私は長い間モテなくて、格好いい人がモテるのをずっと見ていて、すごいコンプレックスがありました。『中身で負けたくない!』という思いがすごく強いです。

守井:東日本大震災を経て思ったのですが、後悔のないように、やりたいと思い描いていることは全部やることにしようと。
稼げば別の道が開けます。スタッフとお客様に愛されないと稼げない。だから、稼げる男が魅力的に映るのは自然なことだと思います。

そんな守井社長に、今の若者はどのように映っているのでしょうか?

守井最初に入った会社というのは何かのご縁。ご縁のあった会社で、いいコだなぁと思われるほど働けば必ず道が開ける。大変なことをやらないと力はつかないので、大変なことを任せられて、大変なことを一生懸命やる。まずは相手が困っているのを解決してあげられるくらい働くことが大事だと思います。

昔から変わらない想いは?

守井:『お直しを通して日本一愛される会社になりたい』という想いです。また、『お客様の、物を大切にする気持ちを受け止められるよう意識してやっていきたい』という想いも変わりません。
これからも好きなスタッフと働き続けたいですし、いいお客様と出会っていきたいです。

お店のしくみ&舞台裏

ビック・ママの店頭では、服飾系の専門学校を卒業した、知識のある若い女性が接客にあたり、相談しやすいように工夫されています。
技術屋さんというよりも、相談窓口としての印象を強く出し、店頭も明るくして、「直したいなぁ」と気軽に思ってもらえるような雰囲気を作っているそうです。
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受け付けの裏にある、本社工場を訪れてみると、まずはたくさんの種類の糸にビックリ!多様な色のなかから、それぞれの衣服にぴったり合う色を見つけて使っていきます。
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すそ上げなど、簡単な作業はそれぞれの店頭で行いますが、手の込んだものは、全国から仙台本社の工場に宅配で集められてきます。一括して手掛けることで、クオリティを保つしくみです。工場では、約70名が丁寧にお直しに取り組んでいます。
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お直しは男性にもニーズがあって、3割くらいが男性のお客様。ズボンのウエストのサイズ調整が一番人気だそう。

リピート率も、なんと80%!お客さんは20~30代の女性が多いそうですが、カウンセリングのような丁寧な接客で、相談しやすいことと、ノベルティのしくみが秘訣なのだそう。例えば、3回目にはハンカチに名前を入れるサービスを行っています。

作業所では、何人ものスタッフが、ミシンで縫ったり、アイロンをかけたり、切ったり。1人のスタッフが次々と場所を変えながら、着々とお直しを進めていきます。壁伝いにも糸が並んでいます。
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合間に事務連絡が入ることも。責任者が技術スタッフ一人ひとりを回って丁寧に説明していきます。
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スタッフのmy針山たち。地面に落ちたり、衣服にささったままの時に音が鳴るよう、待ち針に鈴が付いています。安全対策もバッチリ!
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もとの店舗に出荷するための作業中。
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写真中央下のビニールロールから、ビニールをまずは腕にはめます。そして、手際よく一着一着衣服に被せていきます。
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取材を終えて

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suzukoma_haru簗瀬
お母さんのように心のこもった温かい手作業が、「ビック・ママ」さんの醍醐味なのだと思いました。
日本人の「ものを大切にする心」がもっともっと花開いていきますように☆

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この記事を書いた人

やなちゃん
やなちゃん
ライター/フォトグラファー
2013年8月に東京から来ました。プロジェクト設計型インターンシップのコーディネータをやりつつ、たまに写真取材もできたら。働く人や学生がもっと元気になれるよう頑張っていきます。
ライフワークは居合です。居合に興味がある方、習ってみたい方は声をかけてください♪