身近な大人に聞いてみた はたらくってどういうこと?
ワタシゴト

先手必勝!思いはすぐさま行動に移すべし。

栗原彩乃 栗原彩乃
409 views 2015.03.13

小島蒲鉾店 高橋英良さん(36)

塩釜を思って「GAMA ROCK」を発案!

塩釜を元気にしたい。塩釜の魅力を伝えたい。そんな気持ちから始まった「GAMA ROCK」は今年で4回目を迎えます。実行委員の高橋英良さんは、一般的なロックフェスではなく「ゆるいフェス」だと語ります。

お客さんたちは青空の下、芝生広がる塩釜の公園で、ロックを楽しみます。手作りブローチを作ることができるお店や仙台の名産品ずんだ餅を売るお店。お年寄りから小さな子どもまで、みんながゆったりとくつろげる空間がそこにはあります。最初は地元の人のみぞ知る「GAMA ROCK」でしたが、今では県外から1500人もの人が訪れる人気フェスに成長し、塩釜を盛り上げています。

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高橋さんの本業は、かまぼこ屋さん。塩釜市にある小島蒲鉾店の営業課長として、かまぼこの品質検査、出荷手配など多くの業務をこなしながら、フェスのFOOD部門を統括しています。自分にできるかどうか悩む仕事でも「とにかくできると口に出し、何でもやってみることが大切。やってみたら自分は全部成功できた」と高橋さんは笑います。

後悔する生き方はしたくない

高橋さんは、2005年に小島蒲鉾店に入社。6年後、東日本大震災が発生し塩釜市の本社で被災します。店も工場もすべて浸水。「先のことなんて何一つ考えられなかった」と当時を振り返ります。変わり果てた塩釜の街。誰かが何とかしなければと、焦りだけが募るなか、避難所の車の中で聞いた音楽に励まされたことを思い出します。

「待っているぐらいなら、自分がやってやる」。
思いはすぐさま行動へ。音楽の力で何かできないかと動き始めました。塩釜出身のアーティストを探し出し、協力を依頼。被災した地元の食品会社にも、出店しないかと次々に話を持ち掛けます。

常に有言実行の高橋さんですが「不安はもちろんあった」と言います。イベントのこと、塩釜のこと、分からないことは人に教えてもらいながら、1つ1つ不安を取り除いていきます。こうして高橋さんを中心に、塩釜を思う気持ちは人から人へと受け継がれ、「GAMA ROCK」として形になりました。

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「明日が必ずあるとは限らない」。震災を経験してそう強く感じるようになったと高橋さんは言います。だから、考えている暇があるのなら、やりたいことはすべて実現させる。「いつ死んでもいいような人生を歩みたい」。

自分の会社より、自分の地域

「塩釜に人が来れば、自然と塩釜にある企業も、人も、みんなが元気になるでしょ」。
塩釜を、いろいろな人たちが訪れてくれる街にするために、小島蒲鉾店として、そして、「GAMA ROCK」FOOD担当として、何ができるか考えていくことが、今は一番大切だそうです。

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「うちのかまぼこをどこよりも売ってやろうとか、そんな気持ちは捨ててしまった」と笑います。最終的には塩釜からもっとおもしろいコンテンツを発信し、「一度は塩釜を離れた若者たちが、もう一度戻ってきたいと思える街にしたい」。有言実行の高橋さんは、今日も塩釜の街を走り回ります。

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若者読者へのメッセージ

覚悟を持っている人間は強いです。叶えたい夢があるのなら、思い切って口に出してみてください。言葉にすることで、それが自分へのプレッシャーへと、覚悟へと変わっていきます。苦労を苦労と思わず、何事も楽しみながら、やりたいことに向けて突き進んでください。

「人に上下関係なんて必要ないと思うんだ」と話す高橋さん。取材中も、とても気さくに対応してくれました。高橋さんの仕事は、人と人をつなぎ合わせること。どんな人とも常に真っ向勝負、対等の付き合いをしているからこそ、高橋さんの周りは人であふれ、塩釜を思う輪も、どんどんと広がっていくのだと感じました。
栗原彩乃栗原彩乃早稲田大学修士1年(執筆当時)
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この記事を書いた人

栗原彩乃
栗原彩乃
早稲田大学修士1年(執筆当時)
早稲田大学修士1年