身近な大人に聞いてみた はたらくってどういうこと?
ワタシゴト

人とのつながりは一生もの。「面白そう、やってみよう!」から生まれた人生の財産。

豊田さき 豊田さき
577 views 2015.03.06

佐藤翼さん(26歳)建築工房 零(ゼロ)

家づくり?いい、暮らしづくり

国産無垢材を使った木の家、自然エネルギー、自然素材を使った家づくりがコンセプトの地域工務店「建築工房 零(ゼロ)」。佐藤翼さん(26) は1年半前に入社しました。
「会社の本当の目的は家づくりではなく、暮らしづくりなんです」。そう語る理由は、建築工房と並行して経営している「ゼロ村市 場」にありました。

オリジナルの無垢の木の家具や、自然食品を扱う「ゼロ村カフェ」など、訪れた人の暮らしに寄り添うスポットがこの市場にはたくさんあります。 また、ライブ、夏フェス、ワークショップなど様々なジャンルのイベントも開催しています。「ほかにはなくて、ここにはある」「あそこに行けば何か面白いことやって いるよね」。そんな口コミが広がっていくことが佐藤さんの願いです。

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「建築という堅いイメージを払拭し、気軽に入れるような店にしたい。ゼロ村市場は結果として『建築工房 零』を知ってもらう良いきっかけにもなっている」。そんな佐藤さんですが、ここに至るまでにかなりインパクトのある経験をしてきたそうで…。

ワクワクの先で得た、一生もの

「面白いこと起こらないかな!」
そんな思いから飛び出した、名付けて「爆裂疾走ママチャリの旅」。大学4年生の夏休み。周りは就活、就活、就活。「皆と同じように普通に就活をするつもりはなかった」。ギターと5000円だけを持ち、日本縦断の旅が始まりました。

旅先での基本は野宿。公園の水道をシャワー代わりに、ひたすらママチャリをこぎ続ける毎日。そんな中、各地で人の温かさに触れる機会が何度もありました。家に泊めてくれる人、佐藤さんの路上ライブを見て応援してくれる人。この旅で、たくさんの人との「確かなつながり」を築くことができたといいます。

「自分は誰かに支えられているのだと実感できたきっかっけ。改めて感謝の気持ちが芽生えた」
それまでは夜の仕事に就いていましたが、結婚を機に昼間の仕事を考え始めます。転職先として真っ先に思い浮かんだのは、学生時代につながりを築いていた、今の会社の社長でした。例えタブーだと思われていることでも意志をしっかりと持って主張・行動する、そんな強い信念と生き様に佐藤さんは動かされました。「この人のもとで働きたい!」

この人が好きだから買いに来るんだよ

「なんかさみしいじゃないですか、売り物だけが目当てだなんで」
そんなさみしさは日ごろから感じているそうです。「ここにいる人が一番の店のウリになれ ばいい」
“切り身社会”といわれるような、スーパーに並んだ魚の切り身のように誰が作ってどこから来たのか分からないようなものとは違った、顔の見える安心感。そこから人と人とがつながっていく。そんな温かな横のつながりを地域に根付かせたいと言います。

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「将来は地元の九州に戻って事業を興したい」。佐藤さんはすでに一歩先を見ています。「人とのつながり、横のつながりというものを常に感じながら生きて行けるような何かを、自分の手で作りたい」。佐藤さんの可能性と人との結びつきはこれからも広がり続けます。

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間違いなく人と出会う

フットワークが軽く、自由が許される時間がある今、とにかく何でもやってみる精神が必要だと思います。例えばホームレスのおじさんに話かけてみるのもいいでしょう。実はその人はとんでもないすごいことをしていた人かもしれません。何でも、やってみたら間違いなくそこで人と出会います。その出会いを大切にしていってください。また社会を体験してみてください。外に出て行ってその多様さを体感し、いろんな人と話をしてみてください。そこから始まる何かが必ずあります。

「売り手が一番のウリになる」。この言葉は、人と人とのつながりを人一倍作り、その大切さを分かっている佐藤さんだからこそ言える言葉だと感じました。また「今」という瞬間を常に意識しているとおっしゃっていました。今を意識することは何かの考えを深めるきっかけになる。何気ない日常を「今」と感じて過ごすことは、無駄にしてはいけない何かに気づくチャンスを得ることでもあるのだと気づきました。
豊田さき豊田さき東北学院大学3年(執筆当時)
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この記事を書いた人

豊田さき
豊田さき
東北学院大学3年(執筆当時)