【学生記者file.6】いぐする黎明期を支えたアネキ。笑顔で皆を癒す、阿部梢!
こんにちは。東北工業大学3年の小幡竜一です。
再びインタビュアを務めることになりました。よろしくお願いします。
東北大4年の阿部梢さん(22)。
「すべては大学3年の春から始まったんだよね」。梢さんはそう話します。
高校教師になるという夢を持ち、勉学と所属している吹奏楽部の活動に熱中。中学・高校は吹奏楽、大学ではオーケストラでした。
大学3年のとき、友人の誘いがきっかけで、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターである後藤正文さんが立ち上げたフリーペーパー「The Future Times」の活動に参加。取材を受ける「話し手」としての役割をこなし、震災関連の情報を発信していました。この活動を通して、自分が相手の話を聞く側になりたいと思ったそうです。同時に、「被災地のために私には何が出来るんだろう。東北と被災地についてもう一度よく考えたい!」という思いが生まれました。その年の夏、一緒にフリーペーパー作成の活動に携わった友人たちも経験した、河北新報社のインターンシップ「記者と駆けるインターン」の情報を得て、参加することを決意。相手の話に耳を傾ける取材はもちろん、「書き手」としての記事執筆を経験しました。
インターン終了後、「いぐする仙台」の学生記者として活動を開始。これまでに5本の記事を掲載し、明日3月31日に最後の記事を合わせて6本になります。「仙台のイケてる会社訪問」第1号と、学生初の「ワタシとシゴト」記事を執筆し、まさに黎明期を支えた立役者です。
一方、それと同時に行っていた就職活動は、思った通りにはいかなかったと話します。「一度就活に区切りをつけよう」。そう思った梢さんは石巻でのボランティアに参加しました。そこで偶然知り合った人が転機だったと梢さん。その人に紹介してもらったインターンシップフェアに参加し、「建築工房零(ゼロ)」と出会いました。新しいことを始めてみようと思っていた梢さんは、「村を作る」という面白い企画に興味が向き、建築工房零のインターンに参加する道を選びました。
業務内容としては、今年5月にオープン予定である「ゼロ村」の準備。しっかりとした営業が出来るよう必要なものを試行錯誤しました。業務をこなすうちに、自分で仕事を見つけてそれを具体化し、実行していくことの楽しさと辛さを実感。その後は「建築工房零に就職したい!」という思いを社長に話し、面接を受けた結果、4月から働くことになりました。
梢さんはこう話します。「自分が教師になったとき、教科だけじゃなくて、私が出会った人の考えや思いを伝えられるようになりたいな」。社会のことを知って、出会う人たちの考えを学んでいきたいという思いから、この答えが生まれたそうです。人の話を聞いて文章にまとめることも、何もないところから1つのモノを作ることも、これまでの活動で得たものが、今の梢さんの支えになっているだと私は思いました。今年3月で大学、そして、「いぐする仙台」を卒業する梢さん。明日公開する「花兄園」の記事を最後に、生徒の成長を支えられる「厚みのある教師」を目指し、社会へ一歩踏み出します。