仙台名物?!牛たんサイダーの生みの親「トレボン食品」
仙台市宮城野区小田原にあるトレボン食品は昭和25年創業の飲料メーカーです。ラムネ、子ども用シャンパン「シャンメリー」などの清涼飲料水から、黒酢などの健康飲料まで幅広い商品を製造しています。
「何でも聞いていいよ!」と二代目社長の鶴戸満昭さん(59)。和やかな雰囲気で取材スタートです。
社名の「トレボン」の由来はなんですか?
鶴戸さん
名づけたのは創業者である父親です。フランス語のトレビアン(素晴らしい)が、トレビアーン、トレビアーン…トレボンとなったみたいですね。
社名ロゴは創業時から変わっていません。レトロな書体が当時の雰囲気を醸し出しています。
果たして、その味とは?
いよいよ、核心に迫ります!
牛たんサイダーについて教えてください。実は、まだ飲んだことがないんですが…。
鶴戸さん
飲んでみるか?
作間
ぜひ!!
(ゴキュゴキュ)
ん?ぎゅ…牛タンだ!
栓を開けた瞬間、香ってくるのは、まさに牛たんそのもの。そして、問題の味は……サイダーの甘さと牛たん風味の塩気のバランスがいい!思ったよりも、飲みやすい、何とも不思議な飲み物です。
仙台駅1階にある「食材王国みやぎ」や東北新幹線の中央改札口近くの土産店で販売しているから、物珍しさから「仙台土産」として買っていく観光客も多いそうだよ。リピーターがいるかどうかは知らないけどね!(笑)
選んだ基準は「ありえない」?
ほがらかに話す鶴戸さんですが、牛たんサイダーの完成まではいろいろな苦労があったそうです。
トレボン食品では通常商品に加え、自治体や企業などから依頼を受けて「地サイダー」を作っています。鶴戸さんは、さまざまな風味や名前のオリジナルサイダーを手掛けるうちに、トレボン発信で「仙台名物」になるようなサイダーが作れないかと考えるようになりました。
あっといわせるようなサイダーにしたかった。飲んでみないと分からないような、好奇心をくすぐる味を探した。
名物を選ぶ基準は「ありえない!」というインパクト。いろいろな仙台名物で試作品を作りました。牛たんサイダーのほかに、笹かまサイダー、仙台みそサイダー、ずんだもちサイダーなどなど。
その中でも、もっとも「ありえなかった」のが「牛たん」。
牛たん定食でおなじみの「テールスープ」の味を連想させる塩気のあるサイダーを目指すことに。毎日毎日、従業員と試飲を繰り返し、サイダー本来の甘さと牛たんの味のバランスを考えたそうです。
最初は、飲めたものではなかったけどね。
塩気のあるテールスープの味に近づくように、香りの強さ、甘さの微調整など試行錯誤を繰り返しました。半年間の試行錯誤の末、牛たんをイメージする風味とサイダーの甘い味をバランスよく出すことができました。
2012年10月に販売スタート。価格は200円、手軽な値段も魅力のひとつです。
すでに仙台土産として知名度が急上昇しているそう。ジャニーズジュニア好きの友だちによると、なんと、「NEWS(ニュース)」も飲んだそう!これで女子人気も急上昇するに違いない?!
工場へ潜入!
牛たんサイダーのナゾが解けたところで、鶴戸さんの案内で工場見学へ。ラムネやサイダーがどうやって作られているのか、実際に見られると思うと、わくわく!
工場には生産ラインが2本。トレボン食品では一日最大で3万本の飲料を作ることができます。
季節ごとに生産量を調整していて、清涼飲料水がよく売れる夏の繁忙期に比べ、閑散期となる冬場は生産量が少ないそうです。この日はラムネ(ブルーハワイ味)を製造中。
ラムネの甘い原液の香りが漂う中、10人ほどの従業員が黙々と作業していました。
まずラムネビンを洗浄します。
ラムネの液体をビンに詰め、キャップをつけます。
キャップがプレスされた後は、日付を印字し、完成です。箱詰めされて仙台市内の販売店へ。
「え?ビー玉は最初から瓶に入ってるの?」
「栓をするときって、瓶を逆さまにするんだ!」
ずっと興奮状態でした。いままで飲んでいたラムネがこんなふうに作られていたとは!
ほんと、楽しかったです。
もっと「トレビアン」な会社を目指して
鶴戸さんが語るトレボンの精神は「地域の人々の声や特産物を取り入れ、愛着を持ってもらえるような、地域に根差した商品作りを常に考え、実践すること」。
そして、そこに「遊び心」があるのが、トレボンらしさ。みんなが、あっと驚くようなユーモアのある商品をつねに作りたいと製品開発をしています。
一つ一つの製品を丁寧に説明してくれた鶴戸さん。製品作りへの熱い思いが伝わってきました。
求む!ワカモノの感性
トレボンが最も欲しいもの……それは、アイデア!大人が思いもつかないような、ワカモノの斬新な感性を求めています!
そこで、鶴戸さんから「いぐする仙台」読者である大学生のみんなにオファーです。
今までにない「サイダー」のアイデアを募集!
「味」「ラベルデザイン」「商品コンセプト」など、なんでもOK!
みなさんのアイデアが商品開発につながるかもしれませんよ!
当サイトの問い合わせフォームからアイデアをお寄せください。
住所 | 宮城県仙台市宮城野区小田原2丁目3番18号 |
電話番号 | 022-256-4137 |
この記事を書いた人
この人が書いた記事
- イケ社2015.01.12東北の魅力を独自の角度から味わう!仙台発の旅行会社「たびのレシピ」
- イケ社2014.03.28仙台名物?!牛たんサイダーの生みの親「トレボン食品」