記者(個人)

被災を経験した経営者

佐藤知佳 佐藤知佳
241 views 2014.02.01

「商売するという事は企業として生き残る事だ」。こう語るのは「ニュー・イースト」の代表取締役新田秀悦さん。ネットカフェやアイス専門店「GOLODENSPOON」やコーヒーショップ「セガフレード・ザネッティ・エスプレッソ」など幅広く事業に取り組んでいる。

新田さんは2010年会社設立し、その後スピードをつけ様々な事業に挑戦している。多くの機会をチャンスと考えている新田さんは社会に出る事の楽しさ、自立の大切さをスタッフに伝えていきたいと語る。

▲震災を経験し、これからの事業展開に意気込む新田さん=セガフレード仙台中央通り店

新田さんにとって東日本大震災は人生の転換期となった。新田さんは石巻出身であり、石巻で炊き出しボランティアを行った。しかし、新田さんは炊き出しが自分のやるべき事ではないと感じていた。

経営者として地域のためにできる事があると気付いた。ボランティアの大切さを重視しつつ、被災者が自立し笑顔と元気になる事をしたいという思いから、事業展開を進めていこうと決めた。そして、ネットカフェ自遊空館一関店のリニューアルオープン、GOLDENSPOONと契約を結び、オープンさせた。

震災当時、日本は自粛という雰囲気が重く漂っていた。そのような時、東北ブロック商工会議所青年部会長を務めていた新田さんは全国の日本商工会議所青年部2600名にメッセージを送った。震災で自身、企業共に大きな被害にあったこと、被害にあった従業員が全員無事であったこと、そして全国に多くの仲間が居ること。「今やらなければいけないこと、それは自分の商売をしっかり経営していくこと」と伝えた。

これは石巻で被災した新田さんだから伝える事ができることであった。新田さんは地域貢献と地域活性化のために、「地元から社員を雇い雇用を発生させること、会社が利益を出し税金を支払うことだ」と語っていた。

新田さんは今後も環境の変化に対応しながら事業を進めていく。そして、いずれは故郷石巻にもセガフレードを開き、地域の人が集まる場を作りたいと展望を描いている。

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